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事務所日記

 

いつもと違う8月

 

こんにちは。いつもお世話になっております。事務局の峠と申します。微力ながら事務局もメルマガ配信のお手伝いをさせていただくことになりました。拙い文章で恐縮ですが、お付き合いいただけましたら幸いです。

 

本来であれば8月は、毎年展覧会の準備に忙しい毎日を送っています。けれど多くの皆様がそうであるように、今年は事務局も昨年までとは違う毎日を過ごしています。

 

3月、この時期にはポスターのデザインが決定して、皆様へお届けする印刷物の準備に取りかかります。今年は毎年開催されている部会や合同委員会を開催することができず、色々な事がいつも通りには進められなくなっていました。

その後さらに人が集まるということが難しくなり、収束の見通しがつかないまま毎日が過ぎてゆきました。でも、まだ時間はあると少し楽観的に考えていた気がします。

 

4月に緊急事態宣言が発令されてからは、いよいよ今後についてZOOMで会議が行われるようになりました。色々な事が思うようにいかない中で、画面越しにでも先生方にお目にかかれた時には、本当に嬉しかったです。

 

結論として、比較的早い段階で今年は展覧会を開催しないという決定がされました。私は、実はギリギリまで判断を遅らせることを中心に会議が進むのではないかと考えていました。早い時点で中止と決まってしまったら、誰もが心の支えを奪われてしまうのではないかと思っていたからです。

けれど先生方は、早い段階で中止を決めることで、皆様も会も次の活動について検討する時間が増えるのだと、すでにその先を見つめていました。誰もが不安を抱えて制作をする中で、協会としての結論を早く出すべきである。また、この事態をしっかり受け止めて、美術館で展示ができなくても別の前向きな活動を見つけよう、と話は進んでゆきました。近くしか見えていなかった私には、目からウロコのような会議でした。

そして、公募展として国立新美術館で展覧会が開催されていることは、けっして当たり前のことではないということに思いが至りました。

 

事務所で古い図録や会報を開くと、そこには私達の目の前にいる先生が10年前、20年前、30年前から新制作協会としての活動に情熱を注いできた軌跡があります。創立当初から会を支え続ける皆様のお名前があります。

もしも誰もが、面倒だから、忙しいから、様々な理由でかかわりあうことをやめていたら・・・。

本当はもっと早く展覧会ができない日が来てもおかしくなかったのだと、積み重ねられた情熱と想い、かかわりあおうと努力することの大切さを感じました。

 

私達は事務局として日々、そこにかかわることができる幸せの中にいます。

 

来年の秋、またお目にかかれる日まで、この無数のかかわりの中から生まれた幾つもの風景や新制作協会の活動を、この場をお借りして少しでもお伝えする事ができたら、そして今後の新たなかかわりの1歩へ繋げることができればと願っております。

 

どうぞ1年間、宜しくお願い申し上げます。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

事務所にある第1回展からの図録です。新制作派となっています。


 

古い会報の表紙には懐かしいお顔や風景が・・・。ご遺族の皆様からご寄贈いただいた図録もあります。